遠視の屈折補正

眼(め)は近く(ちかく)の物(もの)を見る(みる)時(とき)、網膜(もうまく)上(じょう)にきちんと焦点(しょうてん)を合わせる(あわせる)為(ため)、目の中(めのなか)にある筋肉(きんにく)を働かせ(はたらかせ)て水晶体(すいしょうたい)の屈折(くっせつ)を強く(つよく)するという機能(きのう)を持っ(もっ)ています。この事(このこと)を調節力(ちょうせつりょく)といいます。調節力(ちょうせつりょく)は子供(こども)の時に(ときに)豊富(ほうふ)に持っ(もっ)ていて、その後(そのご)は年齢(ねんれい)と共に(ともに)徐々に(じょじょに)減少(げんしょう)していきます。正視(せいし)の場合(ばあい)、遠く(とおく)の物(もの)を見ている(みている)ときにはほとんど調節力(ちょうせつりょく)働い(はたらい)ておらず、近く(ちかく)の物(もの)を見る(みる)時(とき)だけに使っ(つかっ)ています。遠視(えんし)の人は(ひとは)遠く(どおく)の物(もの)を見ている(みている)時(とき)にも、調節力(ちょうせつりょく)を働かせ(はたらかせ)ない状態(じょうたい)では網膜(もうまく)の後で(あとで)焦点(しょうてん)を結ん(むすん)でしまうので、本来(ほんらい)近く(ちかく)の物(もの)を見る(みる)時(とき)にしか使わ(つかわ)ない調整力(ちょうせいりょく)を自動的(じどうてき)に働かせ(はたらかせ)て、遠視(えんし)を補正(ほせい)しようとします。いってみれば、いつでも目(め)の筋肉(きんにく)を働かせ(はたらかせ)ている状態(じょうたい)の為(ため)、眼精(がんせい)疲労(ひろう)の原因(げんいん)になります。また、遠視(えんし)の人(ひと)の場合(ばあい)頭痛(ずつう)や肩こり(かたこり)、光(ひかり)の眩しさ(まぶしさ)を訴える(うったえる)場合(ばあい)が多い(おおい)です。屈折(くっせつ)補正(ほせい)とは、調節力(ちょうせつりょく)を働かせ(はたらかせ)ていない状態(じょうたい)で遠く(とおく)の方(ほう)が明視(めいし)出来る(できる)度数(どすう)の凸レンズ(とつれんず)で行われ(おこなわれ)ます。一般的(いっぱんてき)にはメガネやコンタクトを使用(しよう)します。遠視(えんし)の目(め)は長期間(ちょうきかん)常に(つねに)調節力(ちょうせつりょく)を使用(しよう)する状態(じょうたい)にあったことが多く(おおく)て、調節(ちょうせつ)する事(こと)が癖(くせ)になっていて、調節力(ちょうせつりょく)を使用(しよう)しない状態(じょうたい)になりづらいです。そのため、遠視(えんし)が潜伏(せんぷく)しやすいので測定(そくてい)には注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)になります。調節力(ちょうせつりょく)を働かせ(はたらかせ)ない状態(じょうたい)にするのには、絶対(ぜったい)に強(つよ)すぎる凸レンズ(とつれんず)をテストフレームに入れ(いれ)装着(そうちゃく)し、視力(しりょく)が0.1位(い)の近視(きんし)の状態(じょうたい)で少し(すこし)目(め)を休め(やすめ)たあと測定(そくてい)する方法(ほうほう)がとられています。毛様体筋(もうようたいきん)の緊張(きんちょう)が解け(とけ)にくいので、雲霧(うんむ)法(ほう)等(など)で測定(そくてい)しても検査(けんさ)をするたび度数(どすう)が大きく(おおきく)変わっ(かわっ)てしまい、遠視(えんし)の度合(どあい)が解り(わかり)にくい場合(ばあい)には、処方(しょほう)する度数(どすう)の手掛かり(てがかり)を得る(える)手段(しゅだん)とし、眼(め)の中(なか)の筋肉(きんにく)をマヒさせる薬(くすり)を使用(しよう)して、他覚(たかく)検査(けんさ)により度数(どすう)を調べる(しらべる)方法(ほうほう)もあります。

遠視

眼は近くの物を見る時、網膜上にきちんと焦点を合わせる為、目の中にある筋肉を働かせて水晶体の屈折を強くするという機能を持っています。

遠視