遠視と加齢による老眼

年をとっ(としをとっ)た人(ひと)の眼(め)の調整力(ちょうせいりょく)は赤ちゃん(あかちゃん)と比べる(くらべる)と10分(ふん)の1です。眼(め)の加齢(かれい)による老眼(ろうがん)は、歳(とし)をとることによって誰(だれ)でも現れる(あらわれる)症状(しょうじょう)なので、病気(びょうき)ではないと言え(といえ)ます。外(そと)からの光(ひかり)がまっすぐ眼(め)に届い(とどい)て、水晶体(すいしょうたい)と角膜(かくまく)で2回(かい)屈折(くっせつ)して角膜(かくまく)にピントがあうのです。遠く(とおく)より届い(とどい)た光(ひかり)は真っ直ぐ(まっすぐ)なのですが、近い(ちかい)距離(きょり)から届く(とどく)光(ひかり)は平行(へいこう)ではないので拡散(かくさん)しながら目(め)まで届き(とどき)ます。眼(め)は、このように近い(ちかい)距離(きょり)からの拡散(かくさん)する光(ひかり)に対(たい)してでもピントを合わせ(あわせ)ています。つまり、近く(ちかく)の物(もの)を見ている(みている)のです。当然(とうぜん)、真っ直ぐ(まっすぐ)な光(ひかり)の時(とき)とおなじ屈折(くっせつ)力(りょく)では、網膜(もうまく)上(じょう)にきちんとピントを合わせる(あわせる)ことが出来(でき)ないのです。そこで、角膜(かくまく)の形(かたち)を変える(かえる)事(こと)は出来(でき)ないので、可変(かへん)性(せい)のある水晶体(すいしょうたい)を薄く(うすく)したり、厚く(あつく)したりしながら屈折(くっせつ)力(りょく)の調節(ちょうせつ)をし、網膜(もうまく)上(じょう)にピントをあわせているのです。ところが、水晶体(すいしょうたい)が調整(ちょうせい)をする力(ちから)は年齢(ねんれい)により変化(へんか)しています。例えば(たとえば)、生まれ(うまれ)たばかりの赤ちゃん(あかちゃん)の場合(ばあい)では、ピントは非常に(ひじょうに)近接(きんせつ)した10センチ程(ほど)から無限(むげん)にまであわせることが可能(かのう)です。それほど赤ちゃん(あかちゃん)は柔軟(じゅうなん)に水晶体(すいしょうたい)の厚さ(あつさ)を変える(かえる)ことが出来る(できる)のです。眼(め)がピントを合わせる(あわせる)ことの出来る(できる)幅(はば)の事(こと)を調整力(ちょうせいりょく)という言葉(ことば)で表し(あらわし)ます。赤ちゃん(あかちゃん)の場合(ばあい)はおよそ20Dの調整力(ちょうせいりょく)があるといわれています。ところが、調整力(ちょうせいりょく)はハタチ前後(ぜんご)で10Dつまり半分(はんぶん)にまで低下(ていか)してしまいます。さらに、50歳(さい)を過ぎ(すぎ)たあたりの熟年層(じゅくねんそう)になると、3Dや2Dというとても低い(ひくい)数値(すうち)まで落ち(おち)てしまうのです。

遠視

年をとった人の眼の調整力は赤ちゃんと比べると10分の1です。

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